3-2-1ルール
データの正しいバックアップ方法
近年、企業を標的にしたランサムウェア攻撃が急増し、重要なデータやシステムを危険に晒す脅威となっています。ランサムウェアの攻撃から身を守るための方法としてここではデータの安全なバックアップ方法をご紹介いたします。
貴重なデータを守る方法
バックアップの重要性
企業が扱うデータは、便利なデジタル形式でサーバやクラウドに保管され、必要な時に利用できます。しかし、デジタルデータは地震や台風などの災害、ランサムウェアなどの攻撃、誤操作や機器の故障によって失われるリスクがあります。一度消去されたデータは復旧が困難で、時間と費用がかかる場合があります。こうしたリスクに備えるため、サーバデータのバックアップは重要な情報を保護し、災害やデータの喪失からの復旧を可能にします。それだけでなく、法的な規制にも適合し、ビジネスの継続性を確保する役割も果たします。
3-2-1ルール
データのバックアップには多くの方法がありますが、その重要性は理解していても、実際の方法が分からなかったり、 バックアップの効果的な方法を判断するのは難しい場合があります。そこで、注目されているのが「3-2-1ルール」という考え方です。 3-2-1ルールは、データのバックアップ戦略における効果的な手法であり、アメリカ合衆国国土安全保障省(DHS)傘下の米国コンピュータ緊急事態対策チーム(US-CERT)が2012年にバックアップを行う際に守るべきルールとして提示しました。また、日本の内閣サイバーセキュリティセンターも、サイバーセキュリティ対策を強化する方法として、3-2-1ルールを適用することが有用だと判断しています。このルールは以下の3つのステップで構成されています。
3つのバックアップコピー (3 Copies)
データを保護するためには、元のデータに加えて、少なくとも3つのバックアップコピーを作成することが推奨されます。これにより、データが損失または破損した場合でも、バックアップからデータを復元できます。
2つの異なるメディア (2 Different Media)
バックアップコピーを作成する際、異なるメディア(例: ハードディスク、外付けドライブ、クラウドストレージなど)にバックアップすることが重要です。これにより、特定のメディアが故障した場合でも、別のメディアからデータを復元できます。
1つのバックアップを外部に保管する (1 Offsite Copy)
1つのバックアップコピーは、元のデータとは異なる場所に保管することが重要です。例えば、クラウドストレージや外部ハードディスクなど、物理的に別の場所にデータを保管することで、災害や盗難などの場合でもデータを保護できます。
この3-2-1ルールは、データの重要性や価値に応じて変更される場合もありますが、一般的には重要なデータを守るための基本的なガイドラインとして広く採用されています。
動画で学ぶ3-2-1ルール
正しいバックアップ方法を理解して万全の対策を
データの正しいバックアップ方法として3-2-1ルールは有効です。誤操作による人的ミスに始まり、 自然災害や近年ではランサムウェアによるデータの損失・漏洩にしっかり対策をし、データの復旧や管理を容易に行える体制を構築しましょう。